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書評:山口二郎『いまを生きるための政治学』岩波書店、2013年。

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 政治学とは、いま存在する秩序の存在根拠を疑い、ここにはない別の世の中の姿を構想してきた学問である。政治学には、多くの学者や思想家が政治を観察した中から考え出した様々な概念や枠組みが蓄積されている。それを理解し、同時代の政治を見る際に当てはめれば、政治現象をより深く理解できる。
    --山口二郎『いまを生きるための政治学』岩波書店、2013年、24頁。

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山口二郎『いまを生きるための政治学』岩波書店、読了。社会的存在としての人間は政治を不可欠とする。諦めでも熱狂でもなく、いかに関わればよいのか。本書は「困難な時代を生き抜き、人間の尊厳を守る世の中を作り出すための指針」を具体的に検討。文明論的視座から政治学を新しく構想する。

1990年代を時代の転換点と捉えた上で、戦後日本社会の歩みと変節と現状を分析。政治(学)と民主政治の意義を考察した上で、その実践の方途探る。知ると動くの二部で本書は構成されている。

「人間は不完全な存在である」。この事実から出発し、その協同を維持・持続・発展させるのが政治といってよい。著者は人間の本性を踏まえた上で、これまでの失敗や具体的な現状を取り上げ、その営みを私たち自身の事柄へと取り戻そうと本書で果敢に試みる。

著者の提案は政党政治が理念や理想で結集するという基本に返れという極めてシンプルなもの。その遂行にあたっては先鋭的理想主義に傾くなという。何より大切なのは私たちが「声(voice)を出す」こと。虚偽を激しく撃ち、参加と熟議促す必携の一冊。 

[https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0291090/top.html:title]


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