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書評:増井元『辞書の仕事』岩波新書、2013年。


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増井元『辞書の仕事』岩波新書、読了。本書は辞書編纂に30年以上係わった著者が、その内幕を丁寧につまびらかにする一冊。非常に面白かった。辞書は「引く」ものなのか「読む」ものなのか。おそらくその両方なのだろう。辞書づくりの「黒子」に徹した著者の語りは、言葉を使う意識を深化させてくれる。

辞書にクレーム?と聞けば驚くが、ずいぶん問い合わせがあるとは意外だった。定番となった商品から定義に関するまで幅広い。厳密な定義を求める人も多いというが著者は「深い信仰心を持つ方」とばっさり。著者自身、言葉に敏感だが柔軟。厳密が言葉として正しいとは限らない

「食べる」に比べると「食う」とは乱暴な言葉だ。しかし著者はあえて「食う」と使うようになったという。「食べる」とは「賜ぶ」から転じて、目上の者から飲食物を頂くとの意(柳田国男『毎日の言葉』)。私たちが「常識」とするコードにあえて反発する著者のお茶目がすごくいい。

「ことばが好きでたまらない方、国語辞典を愛される方、また辞書に一家言をお持ちの方、この本を楽しんでくだされば幸いです」。それ以外の方にも読んで欲しい。 

[https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1310/sin_k735.html:title]


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