覚え書:「物語、『他者に成る』力与えてくれる アンデルセン賞・上橋さん、式典で語る」、『朝日新聞』2014年09月12日(金)付。
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物語、「他者に成る」力与えてくれる アンデルセン賞・上橋さん、式典で語る
(写真キャプション)授賞式であいさつする作家の上橋菜穂子さん=メキシコ市
「児童文学のノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞の授賞式が10日、メキシコ市であり、同賞の作家賞を受けた上橋菜穂子さん(52)に、メダルと賞状が贈られた。作家賞を受賞した日本人は、1994年のまど・みちおさん以来、2人目。上橋さんは「獣の奏者」や「精霊の守り人」シリーズなどのファンタジーで知られる作家で、作品は各国で翻訳されている。
選考では、作品に込められた自然への慈しみや、異なる価値観への包容力などが高く評価された。式典であいさつした上橋さんは「物語は『他者に成る』力を与えてくれる」とし、違う文化や環境にある主人公の人生を生きる機会を与えてくれると説明。「私たちは想像する力を持っているからこそ、この世に生きる多くの他者とともに、なんとかかんとか歩んでいく道を探せるのかもしれません」と想像力の重要性を強調した。
最後に「他者の気持ちに寄り添って歩み、読み終えた時は読み始めた時とは少し違う場所に立っている。そういう物語を書きたいという思いを胸に、これからも書き続けていきます」と締めくくった。(メキシコ=伊藤舞虹)
--「物語、『他者に成る』力与えてくれる アンデルセン賞・上橋さん、式典で語る」、『朝日新聞』2014年09月12日(金)付。
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