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覚え書:「声:時の権力への批判を緩めるな」『朝日新聞』2014年09月14日(日)付。

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時の権力への批判を緩めるな
大学名誉教授 山田明(愛知県 65)

 やはり遅きに失した「記事取り消し謝罪」である。長年にわたる読者として残念でならないが、朝日新聞の「9・11」として、徹底した問題点の点検と検証を求めたい。とりわけ幹部社員がもっと危機意識を持つことだ。新聞社としての「リスク管理」「人事政策」の見直しが求められる。
 今いちばん心配なのは、現場の記者をはじめとして、朝日新聞が萎縮してしまうことだ。多方面から「朝日バッシング」が激しさを増す中で、事実を正確に伝え、権力を監視する新聞の原点を忘れないでもらいたい。「吉田調書」にみられる制御できない原発の恐ろしさを、「慰安婦問題」での女性の人権を踏みにじった歴史的事実を、今後もきちんと報道してほしい。朝日らなではの、鋭い記事を読者としては期待する。
 わが国は「戦争する国」に向けた危険が動きが加速している。だからこそ、朝日新聞への期待も大きいものがある。「時の権力」への批判を緩めないでもらいたい。
 もう一度だけ。「朝日新聞、しっかりしろ」と言いたい。
    --「声:時の権力への批判を緩めるな」『朝日新聞』2014年09月14日(日)付。

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