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覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:原発情報隠し懸念--サイエンスライター・田中三彦さん」、『毎日新聞』2014年09月15日(月)付。

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特定秘密保護法に言いたい:原発情報隠し懸念--サイエンスライター・田中三彦さん
毎日新聞 2014年09月15日 東京朝刊


 ◇田中三彦さん(71)

 1990年代、東北電力女川原発の建設差し止めなど原発関係の住民訴訟に原告側証人として関わった。電力会社に資料請求してもなかなか出ず、公開されても黒塗りされることが多かった。

 今も昔も、電力会社側は非公開の主な理由として、核防護やテロ防止、知的所有権保護などを挙げる。確かに核物質を管理する上で、ある程度のことが秘密になるのはやむを得ない。しかし、訴訟に限らず安全対策についても、秘密の壁のためにまともな議論がしにくかった。電力会社が「テロ防止のため」と言えば通用したからだ。

 福島第1原発事故後の東京電力の対応もそうだった。2011年夏、衆院の特別委員会が、事故原因究明のため事故時の運転操作手順書の開示を求めたが、東電は大半を黒塗りにして開示した。

 当時の経済産業相の命令で、原子力安全・保安院がほとんど黒塗りのない手順書を公開したことで、ようやく今回実際に起こった全電源喪失事象が想定されていないなど、手順書の不備が判明した。公開されても核防護上の悪影響や知的所有権の侵害は起こらず、東電の対応が明らかに過剰だったことが分かった。国の対応にも過剰反応があったのではないか。

 特定秘密保護法は「テロの防止」に関する情報を秘密に指定できるが、その範囲にあいまいさが残る。どこまでを秘密にすべきかの線引きは難しいが、後付けの拡大解釈で原発に関する情報が特定秘密にされることを危惧している。【聞き手・奥山智己】

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 ■人物略歴

 ◇たなか・みつひこ

 1943年生まれ。「バブコック日立」に入社し、福島第1原発4号機の原子炉圧力容器設計に携わる。原発事故の国会事故調委員を務めた。
    --「特定秘密保護法に言いたい:原発情報隠し懸念--サイエンスライター・田中三彦さん」、『毎日新聞』2014年09月15日(月)付。

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特定秘密保護法:基準修正 公募意見の懸念、正面から答えず
毎日新聞 2014年09月15日 東京朝刊

(写真キャプション)政府が特定秘密保護法の統一基準案を提出した第3回の情報保全諮問会議。会議に臨んで一礼する安倍晋三首相(右手前から3人目)と渡辺恒雄座長(左同)ら=首相官邸で2014年9月10日、藤井太郎撮影

 国民の意見に基づく修正は細かい範囲にとどまった。政府は10日、特定秘密保護法の運用基準案を修正し、有識者会議「情報保全諮問会議」に提出した。政府は先月下旬まで実施した意見公募(パブリックコメント)を受けて27カ所を修正したが、(1)チェック機関(2)内部通報(3)恣意(しい)的な秘密文書廃棄の恐れ--といった主要な論点については修正がなかった。基準案は省庁間の調整を経て、10月上旬をめどに閣議決定される予定だ。【青島顕】


 ◇チェック機関


 政府は特定秘密の指定が適正か検証する「独立公文書管理監」を審議官級の官僚から任命し、事務局の「情報保全監察室」を内閣府に置く。

 きちんとチェックができるのかが制度運営上の焦点の一つになっている。

 パブコメでは、独立性を確保するために、管理監や監察室員を出向で配置するのを禁止すべきだという意見や、管理監などからの文書提出要求を拒否する権限を省庁に与えず、すべての特定秘密をチェックできるようにすべきだとする意見が寄せられた。

 しかし政府は基準案の修正をせず、「人事配置は今後の検討課題」とした。文書提出要請についても「相当な理由なく拒むことはできない」と以前からの説明を繰り返すにとどまった。

 ◇内部通報

 基準案では特定秘密保護法に明記されなかった内部通報制度の導入が明文化された。違法な特定秘密の指定や意図的な情報隠しを防ぐ効果のある制度になるかが焦点だ。

 パブコメでは、通報に際しては情報を要約するという規定を改めることを求める意見や、通報者への報復人事を防ぐ対策を定めるよう求める意見が届いた。

 しかし、政府は「要約して通報するなどし、特定秘密を漏らしてはならない」と答え、通報を積極的に機能させることよりも、秘密を漏らさないことを重視する姿勢を示した。報復防止策についても「一律に規定するのは困難」とした。

 ◇秘密指定

 秘密指定を役所が恣意的に行い、情報隠しが起きないようにすることもポイントの一つだ。パブコメでは「指定による不当な利益を禁じる規定が必要だ」とする意見が出た。政府は「そもそも『特に秘匿が必要』でなければ指定の要件を欠く」として、正面から答えることを避けた。

 また、文書が勝手に捨てられないことを制度上担保する必要性も指摘されている。基準案では秘密の指定期間が30年を超えるものについては秘密でなくなった段階ですべてを国立公文書館に移管するように規定した。

 これについてパブコメでは「30年以下の特定秘密文書も公文書館に移管すべきだ」という意見があったが、政府は「(秘密でなくなった後も保存をすべき)歴史公文書に該当しないものを廃棄するときは、首相の同意を得る」と答え、公文書管理法に基づいて、特別扱いはしないとした。

    ◇

 基準案や政令は各省庁の調整を経て10月上旬ごろ閣議決定。特定秘密保護法は12月上旬ごろ施行される。施行後は、政府が有識者会議「情報保全諮問会議」と衆参両院の「情報監視審査会」に年1回、運用状況を報告する。

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 ◇運用基準案の主な修正点

・「基本的な考え方」に、国民の知る権利の尊重について記述

・特定秘密を緊急廃棄した時は、理由を記載した書面を作って、閣僚らに報告

・適性評価の苦情処理の結果を通知する際は、判断の根拠を具体的に説明

・チェック機関の独立公文書管理監が閣僚らに特定秘密の指定について是正を求めた時は、各省の事務次官で構成する内閣保全監視委員会にも内容を通知

・運用基準は、特定秘密保護法の施行後5年を経過した場合に見直し、内容を公表
    --「特定秘密保護法:基準修正 公募意見の懸念、正面から答えず」、『毎日新聞』2014年09月15日(月)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140915ddm004010050000c.html:title]

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