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覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 支給と受給の大きな落差=宮武剛」、『毎日新聞』2014年10月15日(水)付。


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くらしの明日
私の社会保障論
支給と受給の大きな落差
年金改革のポイント
宮武剛 目白大大学院客員教授

 いつも年齢は3種類ある、と感じる。肉体年齢、精神年齢は個々人の努力や意欲で若々しく保てる。だが、社会が一律に押しつける、いわば「社会年齢」もある。「定年」が典型例だ。
 もっと自由に引退時期を選びたい。その意味も込め、社会保障制度改革国民会議に参加した際、制度で定める「支給開始年齢」を、個々人で選べる「受給開始年齢」へ名前も内容も切り替えよう、と提案した。
 厚生労働省資料は「受給」に変えられ、マスメディアの多くも特に説明なしに追随している。しかし、大事なのは「受給開始年齢」にふさわしい仕組みと環境・条件である。
 ちなみにスウェーデンの年金制度は、61歳以降は自由に時期を選び、受給後に就労の際は中断も認める柔軟な設計である。
 日本でも正規支給は65歳だが、60歳からの、いわば「早取り」(繰り上げ支給)、66歳以降の「遅取り」(繰り下げ支給)もある。ただし、国民年金で早取り約323万人に対し、遅取りは約10万人。厚生年金の遅取りは施行の2007年度以降、希望者は伸びないままで約23万人(13年3月、受給者数)。60代後半の選択は機能していない。
 厚生年金も国民年金も17年度には保険料が固定され、負担は増えない代わり、年金の給付財源も増えない。限られたパイをどう配分するか、という時代を迎える。より和解世代への給付財源を食いつぶさないために給付水準は抑え込まれる。
 現役の平均手取り額に対する厚生年金額を示す「所得代替率」は現在の62・7%から徐々に50%へ引き下げられる(夫は平均賃金で40年加入、妻は専業主婦の新規受給時)。
 その対策で老齢年金(国民年金)の加入期間を、40年(20〜60歳直前)から45年(65歳直前)へ延ばす方針が固まった。実施されれば、経済成長などが標準的な場合、前述の所得代替率は50%から約57%に上がる。67歳まで加入を続けると68%まで跳ね上がる(遅取りで1カ月0・7%の増額分を含む)。
 定年制廃止や大幅な雇用延長が進まない中、いったい60歳代後半まで働けるのか。
 しかし、今回の年金の「財政検証」で所得代替率50%を確保可能な試算例はすべて「労働市場参加が進む」条件付きだ。
 具体的には、働く意欲があれば30年度で男性60歳代前半は91%、60歳代後半も67%が働ける社会を想定している。この極めて高い目標を達成しなければ、現役世代の半分の年金さえ受け取れなくなるのだ。
 「支給」開始年齢から「受給」開始年齢への切り替えは、政府・厚労省はもちろん、社会全体で取り組むほかない途方もなく難しい宿題になった。
保険料・率の固定 17年度で保険料は厚生年金18・3%(労使折半)、国民年金1万6900円(04年度価格)に固定される。この収支内に支出を収めるため少子化と長命化に応じ給付を抑える「マクロ経済スライド」(1・1%)を適用、例えば物価2%アップでも年金額は0・9%分上積みにとどめる。
    −−「くらしの明日 私の社会保障論 支給と受給の大きな落差=宮武剛」、『毎日新聞』2014年10月15日(水)付。

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