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日記:ナチスを反省し戦後責任を履行してきた戦後ドイツ政府に対してその「反省する」態度を「自虐史観」といって揶揄する高市早苗・総務相。そりゃ、さすがにナチスと親和するがな(ぐぬぬ


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2 着実に成果を出してきた修正主義者
 有田 在日差別は残念ながら日本社会にずっと続いてきました。八〇年代以降日本に居住する外国人が増え、社会の構造変化に伴って、多様性や多文化共生という方向へ進化していくはずだった。ところがそういう方向には向かわなかった。なぜ今これほど排外主義的になっているのか。一言で言えば社会が劣化してしまった。僕たちは何を原点にしなければいけないのか。それは一九四五年の敗戦であり、言葉を代えれば、戦後民主主義の出発点です。
 文部省は四五年九月一五日、戦争に負けた1カ月後に「新日本建設ノ教育方針」を出しました。それを読むと、まだたじろいでいるようなところがあって、「今後ノ教育ハ益々国体ノ護持ニ努ムル」と書きながら、そのあとは、軍国思想は払拭しなきゃいかん、平和国家の建設を目途として謙虚に反省が必要だ、「平和愛好ノ念ヲ篤クシ」、文化国家、道義国家をつくらなければいけないと続くのです。「国体護持」という言葉がまだありながらも、官僚の中心でも新しい日本をつくる気概で沸いていた。だから四七年五月三日に皇居前広場で行われた憲法施行記念式典には天皇も駆けつけ、約一万人が参加しました。夜になると花火が打ち上げられ、翌日は花電車が走って祝ったのです。これが原点です。
 ところがそうした社会的雰囲気がどんどん崩されてきた。来年は戦後七〇年になります。安倍政権はご承知のように日本国憲法の核心である九条について解釈改憲を子なった。国会で安倍首相を見ていると、この人の学びというのは自分が信奉するイデオロギーだけを一生懸命詰め込んで、それと対抗するものを相対的に読んでみる作業をしていない人だということがよくわかります。攻められるとすぐにカーッとなって、首相の席から指してやり返す。極端に右傾化した政治家が政権の中枢に座り、お友達内閣を構成している。たとえば高市早苗総務省や下村博文文科相は、二〇一一年に日本とドイツの交流開始一五〇周年を記念して可決した「日独友好決議」に反対、安倍首相は退席しています。高市さんは、決議の案文のうち日独両国が各国との戦争で「多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」と述べていることや戦後の「戦争への反省」に言及していることが問題だと言っています。「『戦争権』は、全ての国家に認められた基本権」「日本の自虐史観にドイツまで巻き込んで、現在のドイツ政府を『反省するべき行為をした主体』であるかのように断罪する権利を日本の国会が持つとは思えません」(『正論』二〇一一年七月号)と反対したそうです。ナチズムなどの全体主義にいまだ徹底的な批判を行っている世界の人権基準からすれば、日本政治の著しい後進性を露呈しています。
 ドイツは自分の国のあり方を反省して戦後をつくってきました。安倍さんも下村さんも高市さんもそこに反発している。グローバル化の不安の中で、しっかりした日本をつくってほしいという発想からこうした政治家に期待してしまうのかもしれません。日本社会が国際社会から見ればおかしなねじれを生じて変質しつつある。敗戦を原点だと思う人たちがそこにまだまだ充分に有効に対処し得ていない。
    --「特集:ヘイトスピーチを許さない社会へ 座談会『私たちの社会は何を「憎悪」しているのか 「差別の煽動」と闘う覚悟と希望=有田芳生・北原みのり・山下英愛』」、『世界』岩波書店、2014年11月、70-71頁。

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[http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g17713005.htm:title]

おっと、「歴史誤認」の日本会議が裏で騒いでいたのか(きちがいか。

[http://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/2381:title]

高市早苗総務相が2011年の「日独交流百五十周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議案」に反対していたことを先に言及しましたが、「日独友好決議」でググったら、日本会議の糾弾サイトがトップに。排外主義的民族宗教をソフトにロンダリングした「日本会議」のことをやっぱり甘く見過ぎていた。

日独交流百五十周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議案→ [http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g17713005.htm:title]

曰く……、「各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」、「戦争への反省に立ち、今日、自由、民主主義、人権の尊重…」穏健すぎるぐらいまっとうなんだが。

日本会議が友好決議に反対する理由は3つだそうな。
1.「多大な迷惑をかけるに至った」というような過去の歴史認識は必要ない。
2.両国が、同盟を結んだ後、世界に戦争を行ったという誤解、
3.ホロコーストの独と日本は違う。

おいおいまてよ。

「ユダヤ人殲滅を企図して計画的に虐殺を実施したナチスドイツのホロコーストを含むドイツの歴史と我が国の歴史を同一視」することは不可能という日本会議。対して所属する高市早苗は「日本の自虐史観にドイツまで巻き込んで、現在のドイツ政府を『反省するべき行為をした主体』であるかのように断罪する権利を」を日本は持たない?

え!!!

日本会議は「ドイツとは、開戦に至る時期も経緯も異なる。それを一方的に両国が『各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至った』と同一に論じれば」ホロコーストをやっちまったドイツと日本が同一視されるからいかんというのだけど、高市早苗サンは、反省した現独政府そのものの態度がいかんというのか。

すげえなあ。

つぎのような報道もある。

高市氏とネオナチ 思想的共通/日本会議系反対 党議拘束外す/「日独友好決議」めぐり自民代議士会:しんぶん赤旗 →[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-17/2014091702_03_1.html:title]

あの、極右排外主義原子力発電所推進の「日本会議」ですら、ナチス・ドイツのホローストとは「一線を画する」矜持を「建前」としてもっているわけだが、高市さんには、その矜持すら共有できていないと疑われてもいたしかたなし。ウルトラの何乗分の右曲がりなんだ。

ホロコーストを反省する現在のドイツ政府を批判し、ナチスを礼賛する高市早苗さん。

あんた、ほんま、「ネオ」以上の「ナチズム」やないけ。


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世界 2014年 11月号 [雑誌]

岩波書店 (2014-10-08)


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