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覚え書:くらしの明日 私の社会保障論 博打解禁という博打=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年11月05日(水)付。


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くらしの明日 私の社会保障論
博打解禁という博打
統合型リゾート整備推進法案
湯浅誠 社会活動家

 「ふつうのこと」をやっていたのでは、もうジリ貧。これからは「ふつうじゃないこと」をやらなければならない。--こう言われるようになって久しい。「ふつうじゃないこと」という言葉は、すごいことが起こりそうなワクワク感もあるのだが、キケンなにおいもする。当たれば大きいが、外れる可能性も高い、という感じだ。
 経済用語では「ハイリスク・ハイリターン」と言う。しかし横文字に頼らなくても、昔
から日本にはそれを指し示す言葉があった。「賭け」だ。博打、賭博、ギャンブルと言ってもいい。
 あまり実感はないが、日本人は博打が好きらしい。日本のパチンコなどゲーム機は459万台と世界の6割を占める(豪ゲーム機製造団体GTA)。2013年の競馬、競輪など公営賭博の利用者は1400万人、パチンコは970万人(日本生産性本部「レジャー白書」)。パチンコ・競馬などのギャンブルの粗利益は3兆6000億円でシンガポールの約8倍(大阪商業大学アミューズメント産業研究所の藤本光太郎研究員)に上るというデータもある。国民性は比較的おとなしくして横並びとも言われるが、「一か八か」「丁か半か」の状況下でアドレナリンの湧き出る人も多いということか。
 それでもか、だからなのかは分からないが、博打、賭博、ギャンブルという言葉には、どこか後ろ暗いイメージがつきまとう。賭博は公的管理下に置かれ、パチンコも警察は「賭博ではない」と言い張る。賭博は悪いもの、だから相当無理をしてでも「賭博じゃない」と言い張らなければならないのだ。
 そのため、実質的に同じことを指すのでも「賭けが必要」「博打を打たなきゃ」という言葉は使わない。「リスクを取らなきゃ」とか「ふつうじゃないことが必要」と言うほうがスマートだ。「異次元」なら桁違い感、スケール感が出て、なおよい。
 さて、臨時国会における注目法案のひとつは「統合型リゾート(IR)整備推進法案」である。
 ジリ貧の日本社会は「ふつうのこと」をやっているだけじゃもうダメで、カジノを含む統合型リゾートを解説して外資を稼ぐ必要がある。ギャンブル依存症が増えるといったハイリスクは承知の上。おとなしくしていても経済は衰退してしまう。それでいいのか??ということだろう。
 博打解禁という博打をうつ。でもやっぱり「賭博」とは言わない。正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」と言うらしい。
 なんだかすごいことになってきた。
統合型リゾート整備推進法案(カジノ法案) 統合型リゾート(Integrated Resort=IR)とはカジノにホテルや国際会議場、スポーツ施設などを備えたものを指す。議員立法で昨年12月に提出され、成立から1年以内に関連法整備などを義務づけられている。カジノは刑法で禁じられており、指定地域に限り無止めることを想定している。
    --「くらしの明日 私の社会保障論 博打解禁という博打=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年11月05日(水)付。

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