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覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:『官』の監視できてこそ--小説家・真山仁さん」、『毎日新聞』2014年11月24日(月)付。

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特定秘密保護法に言いたい:「官」の監視できてこそ--小説家・真山仁さん
毎日新聞 2014年11月24日 東京朝刊

 ◇真山仁さん(52)

 日米の宇宙開発競争を描いた小説「売国」の連載を週刊誌で始めた昨年春、特定秘密保護法がこんなに早く成立するとは思わなかった。作中で、成立後の社会を描いて警鐘を鳴らすつもりだった。

 昨年秋、まだ書かないうちに成立しそうだと聞いて慌てた。1人で反対の記者会見を開こうかと悩んだ。

 先進国には国家機密を守る法律は必要だと思う。だが、秘密保護法は秘密の範囲があいまいだ。憲法が保障する表現の自由や「知る権利」とも衝突する。しかも、平和憲法で軍隊や情報機関のない国に、スパイを取り締まる法律が何のために必要なのか、政府は国民を説得しないまま強引に通してしまった。

 結局、記者会見は「1人じゃしんどいなあ」とやめてしまった。意気地がなかったと後悔している。同時にこんな法律ができるのに、反対勢力が少ないことに驚いた。この国は「基本的人権を侵害しても国益を守ってよい」という文化はなかったはずだ。言論のバランスが悪くなっていると感じている。

 成立後の今年2月、ワシントンに行き、米国の秘密法制を取材した。国家機密でも一定の年月がたてば指定を解除され、公開される。政府関係者は「民主主義の国だから」と事も無げに言っていた。統治を官僚に委ねても、監視ができてこそ民主主義が機能するのだと実感できた。

 「売国」には検事が秘密保護法を調べる場面を描いた。「この法律が定める特定秘密の解釈については、各省庁に委ねられている」【聞き手・青島顕】

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 ■人物略歴

 ◇まやま・じん

 1962年生まれ。読売新聞記者、フリーライターを経て、2004年に企業買収をめぐる小説「ハゲタカ」でデビュー。他に「コラプティオ」など。 
    --「特定秘密保護法に言いたい:『官』の監視できてこそ--小説家・真山仁さん」、『毎日新聞』2014年11月24日(月)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20141124ddm004010003000c.html:title]

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