覚え書:「ローマ法王:『広島、長崎の歴史から何も学んでいない』 核政策を憂慮」、『毎日新聞』2014年12月01日(月)付。
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ローマ法王:「広島、長崎の歴史から何も学んでいない」 核政策を憂慮
毎日新聞 2014年12月01日 東京夕刊
(写真キャプション)フランシスコ・ローマ法王=AP
【ローマ福島良典】フランシスコ・ローマ法王は11月30日、来年が第二次世界大戦の終結から70年を迎えることに関連し、世界に多数の核兵器が残っている現状について「人類はヒロシマ、ナガサキ(の被爆)から何も学んでいない」と述べた。トルコ訪問からの帰路、特別機中で同行記者団の質問に答えた。
法王は「原子力エネルギーは多くのことに役立つが、人間は森羅万象と人類を破壊するために使った」と核兵器の開発・使用を批判。広島、長崎への原爆投下後、「人類は核問題について基本的な事柄も定められないでいる」と語り、国際社会の核軍縮への取り組みの遅れを憂慮した。
世界各国はそれぞれ独自の原子力政策を持っているため、バチカン(ローマ法王庁)は対応について各国のカトリック司教団に判断を委ねている。ローマ法王自らが核問題や原子力エネルギーの利用について詳細に語るのは異例だ。
一方、宗教・地域紛争や、政治・経済的利権を巡る衝突が絶えない国際情勢について法王は「私たちは散発的な第三次世界大戦を経験している」と懸念を表明。世界に広がる武器貿易・密輸を「現在、最も強力なビジネスの一つ」と指摘した。
また、昨年9月、アサド・シリア政権による化学兵器使用を理由に欧米が対シリア軍事攻撃の準備をした経緯に触れ、「シリアは化学兵器を製造できる段階にはなかったと思う」と述べ、外国勢力がシリアに化学兵器を提供していたとの観測を示した。
--「ローマ法王:『広島、長崎の歴史から何も学んでいない』 核政策を憂慮」、『毎日新聞』2014年12月01日(月)付。
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