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覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:放置なら聖域、腐敗−−前宮城県知事・浅野史郎さん」、『毎日新聞』2014年12月01日(月)付。


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特定秘密保護法に言いたい:放置なら聖域、腐敗−−前宮城県知事・浅野史郎さん
毎日新聞 2014年12月01日 東京朝刊


 ◇浅野史郎さん(66)

 宮城県知事のとき、県警が捜査協力者に謝礼を支払うために計上していた「犯罪捜査報償費」の使い道に疑問を持った。支払い相手の書かれた書類は、市民が情報公開請求しても県情報公開条例の例外規定で不開示になる。そこで、私が知事として県警本部長に「適正に執行されていない疑いがある」とまで言って書類の提示を求めた。結局書類は提出されず、2005年に予算の執行停止に踏み切った。

 情報公開には「聖域」が必要だが、守る側に任せて放っておけば、聖域は必ず腐敗する。それを身をもって経験した私は、政府の施行する特定秘密保護法の運用に懸念を持たざるを得ない。

 特定秘密にされるのは防衛、外交、スパイ活動の防止、テロ防止の4分野の情報だ。かつて、機密であることを悪用して九州・沖縄サミット関係の外交機密費を流用した職員がいた。こうしたものが秘密にされて封じ込まれる可能性がある。

 秘密保護法の運用にあたっては、法で定める以上の歯止めをかけなければならない。特定秘密の指定が妥当であるか疑念が出た場合、政府側が客観的に証明する機会を設けるべきだ。たとえば、市民が特定秘密を含む書類を情報公開請求して、裁判で争うことになったとき、裁判官に特定秘密を含む書類を密室で見せて判断させる「インカメラ審理」を導入するよう、情報公開法改正を検討してはどうだろうか。【聞き手・青島顕】

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 ■人物略歴

 ◇あさの・しろう

 1948年生まれ。旧厚生省障害福祉課長などを経て宮城県知事3期。退任後の2009年に成人T細胞白血病(ATL)を発症、骨髄移植を受けた。現在、神奈川大特別招聘(しょうへい)教授。 
    ーー「特定秘密保護法に言いたい:放置なら聖域、腐敗−−前宮城県知事・浅野史郎さん」、『毎日新聞』2014年12月01日(月)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20141201ddm004010069000c.html:title]


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