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覚え書:「ひと:志村ふくみさん 京都賞を受けた染織の人間国宝」、『朝日新聞』2014年12月13日(土)付。

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ひと:志村ふくみさん 京都賞を受けた染織の人間国宝
2014年12月13日

 植物の幹や根や実を煮出して絹糸を染め、紬(つむぎ)を織る。90歳のいまも機(はた)に向かい、自宅がある京都・嵯峨野を歩いて草木を採る。

 京都賞の授賞理由に「自然との共生という根源的な価値観を思索し続ける芸術家」とある。草木染と紬織。民衆の手仕事を芸術の域に高めたとも言われるひとだが、語るのは自然への感謝。「植物は人間より位が高いんです。無償で命を提供してくれるんですから」

 染織をはじめたのは31歳。離婚で主婦生活が一転し、2人の子との生計を立てる必要に迫られた。日用の工芸品に美を見いだす柳宗悦(やなぎむねよし)の民芸運動への共鳴もあった。

 創作は直観から。たとえばホロホロチョウの羽根を見ながら、色合いと模様を再現する。グレーはシラカシとサルスベリ、紫は紫根(しこん)。柔らかい色合いがモダンだ。

 エッセイストでもある。大佛(おさらぎ)次郎賞を受けた「一色一生(いっしょくいっしょう)」の一節。「色はただの色ではなく、木の精なのです。色の背後に、一すじの道がかよっていて、そこから何かが匂い立ってくるのです」

 昨年、京都に染織の学校「アルスシムラ」を開いた。アルスはラテン語で技術・芸術のこと。着物が高価で一部の人しか着られない現状を変えたいという。「着物が特別なものではなく、でも本質的に美しくて、皆に愛されるものになること。本当の民芸はここから始まると思ってるんです」

 (文・安部美香子 写真・戸村登)

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 しむらふくみ(90歳) 
    --「ひと:志村ふくみさん 京都賞を受けた染織の人間国宝」、『朝日新聞』2014年12月13日(土)付。

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[http://www.asahi.com/articles/DA3S11504510.html:title]

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