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拙文:「読書 『棲み分け』の世界史 下田淳 著」、『聖教新聞』2015年01月31日(土)付。


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読書
「棲み分け」の世界史
下田淳 著
西洋文明が発展した背景

 文明として後発のヨーロッパがなぜ近代以降、一人勝ちすることが可能になったのか。それはサイエンスと資本主義の論理をいち早く獲得したことによるという。本書は「棲み分け」をキーワードにその内実を明らかにするが、世界史のイメージを塗り替える。
 中国やイスラムの帝国ではあらゆる資源が一極に集中するが、ヨーロッパでは、それは現在でも偏在する。権力の集中は時として技術向上も富の流通もストップさせてしまうのに対し、分散は富と革新を生む。封建制下の棲み分けが、競争を呼び、サイエンスと資本主義をもたらしたのだ。
 第1段階は自生的に進行するが、効率化を加速させる時間と空間の棲み分けは、能動的に展開する。単著は礼拝と世俗生活の分離というスケジュール化だ。時間・空間の均一化は効率がいい。だが常に規格外の排除と連動し、熱狂的なナショナリズムと植民地支配の肯定論理へと沸騰する。
 サインエスと資本主義を両輪とする飽くなき自己増殖は圧倒的な力をもたらしたが、常に成果を要請され、勝利か敗北かで分類しがちな現在は、豊かな生活なのか。「棲み分け」思考を問い直すことも必要だ。(氏)
NHKブックス・1404円
    --「読書 『棲み分け』の世界史 下田淳 著」、『聖教新聞』2015年01月31日(土)付。

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