覚え書:「時流・底流:表現者たちの声明 政権批判自粛に危機感」、『毎日新聞』2015年03月02日(火)付。
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時流・底流:表現者たちの声明 政権批判自粛に危機感
毎日新聞 2015年03月02日 東京朝刊
(写真キャプション)声明に賛同して記者会見した(左から)作家の中沢けいさん、元経産官僚の古賀茂明さん、劇作家の平田オリザさん、パロディー作家のマッド・アマノさん、ジャーナリストの今井一さん=東京都千代田区の日本外国特派員協会で2月25日
イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)による人質事件以降、政権批判を「自粛する」空気が社会に広がっているとして、ジャーナリストや作家らが2月25日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し「自身の良心にのみ従い、批判すべきだと感じ、考えることがあれば、臆さずに書き、話し、描くことを宣言する」とした声明を読み上げた。
記者会見は同月9日にも都内で行った。前回までに約1200人だった賛同者が約2500人に増えたという。作家の中島岳志さん、評論家の森永卓郎さんらも加わっている。呼びかけたジャーナリストの今井一さんは「テレビに出演しているジャーナリスト3人からメールや電話をもらい『署名したいが、春の番組改編の時にポストを失ってしまうのでできない』と言われた」と話した。
記者会見では、今井さんが「大変なスピードの自粛、萎縮を食い止めたい」と訴えた。劇作家の平田オリザさんは「日本の劇作家たちには、戦前、大政翼賛に協力したという不幸な歴史や反省がある。追い込まれる前に声を上げたい」と話した。
元経済産業官僚の古賀茂明さんは「報道が機能を失えば、民主主義の大前提である知る権利が失われ、国民は正しい判断ができなくなる」と述べた。古賀さんは安倍政権への辛口の批評でも知られるが、1月下旬にテレビ朝日の報道番組で「アイ・アム・ノット・アベ」と人質事件での政府の対応を批判したところ、ネット上で非難されたという。
同番組には月1回のペースで出演してきたが、4月以降の出演依頼がないことにも言及した。テレビ朝日の吉田慎一社長は2月24日の記者会見で古賀さんの今後の出演について「決まっていることはない」と話している。【青島顕】
--「時流・底流:表現者たちの声明 政権批判自粛に危機感」、『毎日新聞』2015年03月02日(火)付。
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